紅茶をもっと楽しむために

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紅茶を知ることは、ホームアフタヌーンティーを楽しむための大切な基本です。

ここでは、紅茶をよりおいしく楽しめるための様々な情報やコツをご紹介します。

 

紅茶の種類 

 

ひとくちに紅茶といっても、その種類はたくさんあり、味も香りもそれぞれの個性を持っています。

茶葉のもとはツバキ科の常緑樹で学名「カメリア・シネンシス」。大きく分けると、さわやかな香りと繊細な味と渋みを持つ中国種、甘い香りと濃厚な味のアッサム種があります。

ここでは、産地別に代表的な紅茶の種類を紹介します。それぞれの抽出した紅茶の色「水色(すいしょく)」にも違いがあるのがわかります。

 

<インドの紅茶>

 

ダージリン

紅茶の中でももっとも有名で、また、大変希少価値がある種類です。

高品質の茶葉が収穫できる季節「クオリティシーズン」となる春、夏、秋によって、その特徴も異なります。

 

▶ファーストフラッシュ(春摘み)

その年の最初に摘まれる一番摘みの茶葉。茶葉自体も若々しい緑色がかっていて、水色は黄みがかった淡いオレンジ色。繊細な香り高さは他の茶葉では味わえない貴重な存在です。

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▶セカンドフラッシュ(夏摘み)

 夏の力強い日差しが味に表れたようなすっきりした渋みと高貴さを感じる力強い香り、水色は輝くような濃いオレンジ色です。特に、上質なものはマスカットのような香りがするといわれ、その香りは「マスカテルフレーバー」と呼ばれます。

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▶オータムナル(秋摘み)

 秋になると味も香りも落ち着いてきます。渋みも香りもやわらかくなり、大変飲みやすい口当たり。水色は赤みがかったオレンジ色です。

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アッサム

 ダージリンと同じく、高品質の茶葉が収穫できる季節「クオリティシーズン」が春、夏、秋にあり、それぞれに違いが出てきますが、季節をとおして濃厚な甘い香りと力強い味を持っています。芳醇な香りはサツマイモや栗のようにも感じられ、「モルティフレーバー」と呼ばれています。水色は茶色がかった濃い紅色。ミルクティーに合う代表的な種類です。

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ニルギリ

 若草を思わせるさわやかな香りで、マイルドな渋みのため、個性が強過ぎず飲みやすい種類です。赤色がかかった明るいオレンジ色で水色も美しいため、ストレートはもちろん、アレンジティーとしても合わせやすい種類です。

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<スリランカの紅茶>

 

ヌワラエリア

 緑茶のようなやわらな渋みで、草花のような繊細な香り。水色は黄みがかった淡いオレンジ色です。

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ウバ

 きりっとした渋みと爽やかな香りを持ち、特に品質の良いものはメンソール系の芳香「ウバフレーバー」があります。赤みのある透き通ったオレンジ色で水色の美しさが特徴です。ミルクを入れると渋みがやわらぎ、違った楽しさを味わえます。

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ディンブラ

 小枝を割ったような爽やかな香りと、程よい渋みで、大変バランスのとれた紅茶です。水色は鮮やかな赤みのあるオレンジ色。ストレートやミルクティー、またアレンジティーなど、様々な飲み方が楽しめます。

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キャンディ

やわらかな甘みを感じるような香りで渋みは少なく、クセのない飲みやすい紅茶です。明るい鮮やかな赤みのある水色。ストレートはもちろん、マイルドなミルクティーにしたいときにも向いています。

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ルフナ

渋みは少なく、こっくりとした濃厚な味で、どこかミネラル感も感じられます。水色はしっかりとした濃い赤茶色です。色のしっかりしたマイルドなミルクティーにぴったりです。

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サバラガムワ

元はルフナの種類に入っていた一部の地域でしたが、独立してサバラガムワとなりました。水色は明るい赤茶色。色の強さに対して味はやわらかく、渋みは少ないです。どこか黒糖のような香りもするので、ストレートでもよいですし、ミルクティーにして楽しむのもお薦めです。

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<中国の紅茶>

 

キームン

品質の良いものは「キームン香」と呼ばれるバラのような高貴な香りがし、大変希少な存在です。販売されているほとんどのキームンはいぶしたようなスモーキーな香りのものが多いです。渋みは少ないので、ストレートで飲むのがお薦めです。水色は茶色がかったオレンジ色です。

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その他、紅茶の産地はアフリカ、インドネシア、ネパール、台湾、そして日本など、多くの地域で生産されています。

 

紅茶の等級(グレード)

紅茶のリーフには茶葉の形状によって多くの区分されており、これを「等級(グレード)」とよびます。

リーフティーを購入するとこの等級が記載されています。

この等級は紅茶を淹れる際の抽出時間に影響しますので、確認しておくとよいでしょう。

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写真:右上から時計回りに「FOP(フラワリー・オレンジ・ペコー)」、「OP(オレンジ・ペコー)」、「BOP(ブロークン・レンジ・ペコー」

 

紅茶の淹れ方

 

1杯の紅茶を作るのに必要な材料は茶葉とお湯だけ。

こんなシンプルな材料だからこそ、淹れ方次第でその味は大きく変わります。

ここではポットを2つ使うツーポット方式の美味しいホットティーの淹れ方をご紹介します。

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【ホットティーの淹れ方】

 

<用意するもの>

・ティーポット2つ(抽出用、サーブ用)

・茶葉:3g/1人

・お水:170cc/1人

 

①水道水を沸かし、2つのポットを温めておく。

②抽出用ポットに茶葉を入れ、お湯を注ぎ、指定の抽出時間を計る。

※目安として、茶葉の等級がOPで3分、大きくなるほど長く、細かくなるほど短い時間にする。

③②の抽出がおわったら、サーブ用に注ぐ。

※最後の1滴まで注ぐ。⇒最後の1滴においしさが詰まっているといわれ、「ゴールデンドロップ」や「ベストドロップ」と呼ばれています!

 

 

<おいしいホットティーを作るポイント>

 

汲んだばかりの沸騰したてのお湯を使う。

 

ポットを温めておく。

 

茶葉、お湯の量、抽出時間を正確に。

 

 

紅茶の保管方法 

 

以前に飲んでおいしかった紅茶。茶葉を大切にとっておいて、しばらくして飲んだらあの時のおいしさがなくなってる・・・なんて経験はありませんか?それは茶葉の保管方法に問題があったかもしれません。

紅茶を美味しく飲むために、ぜひ保管方法のご参考にしてみてください。

 

 

<茶葉の保管ポイント>

 

開封したら早めにに飲み切る。できれば2ヵ月以内に飲み切りましょう。

 

  

密封できる容器に入れる。湿気が入らないよう、しっかりと蓋ができる缶がおすすめです。

 

 

冷蔵庫にはしまわない。茶葉は冷蔵庫の匂いを吸ってしまします。冷暗所に保管しましょう。